鐵牛道機禅師着賛「弁財天画賛」
主身全経 全経主身
理事能接 福智共純
乙丑林鍾 十一日
紫雲機謹題
主身は全経 全経は主身 理事よく接し福智共に純なり
乙丑林鍾 十一日
紫雲機謹しんで題す
鉄牛道機禅師により賛が着けられた弁財天像。画の作者は不明。
最勝王経大弁財女品による八臂の弁財天像と仏説最勝護国宇賀耶得如意宝珠蛇羅尼経による十五童子が経典の文字により画かれている。弁財天の頭上には宇賀神を象徴する蛇と鳥居が鎮座している。稚拙な筆致ながら、江戸期の宗教観を伝える貴重な資料である。
乙丑は貞享二年(一六八五)林鍾は旧暦六月の事。