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法螺貝 住職の法話

平成二十六年十月発行

「四つの戒め」

勢(いきお)い、使い尽(つ)くすべからず。 勢い、もし使い尽くさば、禍(わざわい)必ず至(いた)る。
福(ふく)、受け尽くすべからず。 福、もし受け尽くさば、縁(えん)必ず孤(こ)なり。
規矩(きく)、行い尽くすべからず。もし 規矩、行い尽くさば、人必ずこれを繁(はん)とす。
好語(こうご)、説(と)き尽くすべからず。 もし好語、説き尽くさば、人必ずこれを易(やす)んず。

 

 これは宋代の五祖法演禅師の言葉で、弟子の圜悟克勤(えんごこくごん)禅 師が寺に住職する際に贈った戒めとされます。会社を経営する方から、運動部を仕切るキャプテンまで、組織をまとめる方にはとても参考になる言葉ですので、少しくだけた解釈にチャレンジしたいと思います。  
 先ずは「勢い、使い尽くす可からず…」何かしらの勢力を得た時、我々はそれを必要以上に行使する事があります。しかし、この勢力なり体力を使い過ぎると、やはり物事は進むようで行き詰まりは早急に訪れるものです。 次ぎに「福(ふく)、受け尽くす可からず…」私達は生まれながらに何かしらのおかげさまを頂戴し、天然自然の恵みに囲まれ生活しています。また、人の上に立つ者ならば、人並み以上にの福徳を得ていることになります。しかし、これを感謝の念も無く使い尽くすようでは、これを使い果たし、実に世の中から孤立してしまいます。
そして「規矩、行い尽くす可からず…」規矩とは宗門の規則の事ですが、ここではあえてマニュアルという言葉を使いたいと思います。物事を円滑に運ぶために必要なマニュアルでも、これに固執し微細に及び過ぎると本分を見失うことが往々にしてあるものです。規則を遵守することはとても尊い事ではありますが、規則に振り回され正鵠を外してはなりません。 
最後に「好語、説き尽くす可からず…」どんなに素晴らしい言葉でも次から次へと語句を述べれば、深い意味は通じずこれを聴いた者は安易にこれを用います。という事で、もうしゃべりません。

 
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