平成二十七年一月発行
「臨済忌」
1月10日は臨済忌。臨済宗の宗祖臨済慧照禅師が遷化された日で、心ある臨済宗寺院ではその遺徳を顕彰するお勤めがなされます。
臨済禅師は中国が唐の咸通(かんつう)8年(867)に遷化されたとされますので、平成28年は1150年遠諱の年となります。
臨済禅師の家風は「痛快」「将軍」と称される豪放磊落なものと理解され、禅師の言行を記録した『臨済録』には、辛辣な口調で愚鈍なる修行者を呵責し、時には痛棒を与える様子が描かれています。臨済宗の僧侶のはしくれである小衲は『臨済録』を読むたびに1150年の時空を超えて臨済禅師に一喝を喰う心境に!?
臨済録に「子を養ってまさに知る父の慈」という言葉がありますが、書物の中から伝わって来る臨済禅師の熱喝はまさに慈悲そのものなのでしょう。臨済禅師は「他に惑わされてはならない。自分を信じよ!」と時空を超えて我々を激励して下さっています。さあ!また一年頑張りましょう!
『臨済録』はなにかしらモチベーションの上がらぬ方に読んで頂きたい書物です。タチバナ教養文庫の『臨済録』(朝比奈宗源老師著)がお薦めであります。