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法螺貝 住職の法話

平成二十七年二月発行

「自らを島とせよ」

 二月十五日は涅槃会(ねはんえ)。お釈迦様入滅(にゅうめつ)の日であると日本の仏教では信じられています。
 お釈迦様という方は死の恐怖から出家されましたから、お釈迦様の死を周囲にいた弟子達や信者がいかに受け入れたかは、とても興味のあるところです。
 お釈迦様が入滅に近い時期におっしゃったと伝えられる言葉に「法灯明自灯明(ほうとうみょうじとうみょう)」があります。これは入滅の三ヶ月程前にお釈迦様にまったく依存していたアーナンダという弟子に説いたものです。
 「仏陀とて肉体的には諸行(しょぎょう)無常(むじょう)の理から離れられぬもの。それ故に仏陀亡き後はその教えを拠り所とし、よく鍛えられた自分自身を拠り所とせよ。」
今回の題を「自らを島とせよ」としたのは、学生時代から愛読していた中村元先生の『ブッダ最後の旅』にならったもの。大海にあって島を頼りとするよう教えや自らを頼りとせよにというニュアンスのようです。
まあ、ぶっちゃけ、灯でも島でもどちらでも良いのですが、自分自身を頼りと出来るかと自らに問えば、「お前のようなものは拠り所に出来ぬ。」と自答する吾が心…。しかし、自信があろうと無かろうと、自分の人生の最大の責任者は他でも無い自分自身。であるからこそ、自らの内面に静かに眼を向けることが大切です。
涅槃会、仏教の如き寛容なる教えを遺されたお釈迦様に感謝し、涅槃を迎える事としましょう。


 
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