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法螺貝 住職の法話

平成二十八年十一月発行

「真の幸福とは?」

 維摩経という大乗経典があります。維摩居士という在俗の仏教者がお釈迦様の高弟達を問答や説法でコテンパンにやっつけるという場面が登場する面白いお経です。

 ある時、仏弟子迦葉尊者は貧しい村を選び托鉢をしていました。頭陀行第一と称せられる迦葉尊者は厳しい行を自らに課すのが常であります。寒村に脚を伸ばして乞食を行うのも、貧者に功徳を積ませたいという慈悲心と、自らも質素な物を口にし、自らの修行と為す意図がありました。しかし、これに維摩居士が喰いつきます。

 「迦葉さん、貴殿、慈悲心は持っているようですが、それを皆に普く用いることが出来ないのですね!何故、富豪の家を避けて貧しい村ばかりを托鉢するのでしょう?お釈迦様の平等の教えをよく心し、相手の姿形や食物の良し悪しにこだわらず、心を空にして托鉢すべきです!」

 托鉢の行は僧侶が食物を得ることだけで無く、食物を施与する者に功徳を積む機会を与えるという大きな目的があります。裕福な者を避け、貧しい村を巡って貧者のみ功徳を与えようとする迦葉尊者の行為は、釈尊の慈悲行に適うものでは無いというのが維摩居士の主張です。確しかに富める者にも迷いがあり、苦しみがあります。だからこそ貧富や福徳の大小に関わらず仏道に親しむことが必要なのですね。

 このエピソード、現今の社会にも通じる問題提起がなされています。即ちそれは、物質的な貧富がそのまま幸福とリンクするという錯覚です。もちろん、物に恵まれるのは喜ばしいことですが、実は物を得ること自体が幸福のゴールではありません。これによって感じる満足感は一時的なものです。

 さあ!それでは真の幸福とは如何なるものでしょう?答えは自分自身の中に・・・。

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