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法螺貝 住職の法話

平成二十九年二月発行

「涅槃会~お釈迦様の死」

 2月15日は涅槃会、日本仏教ではお釈迦様が亡くなられた日であるとしています。齢80となられたお釈迦様は、数人の弟子達と共に、お釈迦様に王族として初めて帰依したビンビサーラ王の子、アジャータサットゥ王が治めるマガダ国王舎城から北方に向けて旅を始めます。既に老齢に達したお釈迦様は、疲労や腰痛から歩くことすらままならず、弟子達に支えられての旅でした。そんなお釈迦様に伝導の旅を続けさせた原動力は、一人でも多くの人を救いたいという慈悲心。事実、沙羅双樹の下、死を迎える寸前までお釈迦様は説法を続け、自らに課した使命を全うするのです。
 「わが齢は熟した。わが余命はいくばくもない。汝らを捨てて、わたしは行くであろう。わたしは自己に帰依することをなしとげた。汝ら修行僧たちは、怠ることなく、よく気をつけて戒めをたもて。その思いをよく定め統一して、おのが心をしっかりとまもれかし。云々」(『ブッダ最後の旅』中村元博士訳岩波文庫版より引用)
 これはお釈迦様が亡くなる3ヶ月前に吐露された詩です。ごく当たり前の訓戒ではありますが、死を目前にしたお言葉であることを思うとなお一層の重みを感じます。
 「わたしは自己に帰依することをなしとげた。」という語句に着目してください。帰依は「敬い信じること」という意味ですので、この言葉は「自分を信じきった」と解することが出来ます。自分自身を信じ、道の為に全身全霊を傾けて精進してきたというお釈迦様の自負が伝わってきますね。
そう長くはない私達の人生、かような情熱を感じる何ものかがあるならば、これにまさる幸せはありません。涅槃会を迎え、今年は改めてそう思います。

 
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