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法螺貝 住職の法話

平成二十九年十一月発行

「慈悲」

 少し昔のインドでの出来事です。昭和40年代後半、お釈迦様の旧跡を訪ねる旅の途中、私の父は汽車の中でプラットフォームを眺めながら出発を待っていました。汽車の周辺にはたくさんの物乞いの子供達が溢れています。可哀想だとは思いつつも日本人の旅行者達はその子供達の数の多さに食べ物をあげることも躊躇するほどでした。
 そんな中、同じ団体の一人が集団の中でも最も年少と思われる子供にみかんをあげてしまったのです。案の定、小さなみかんに向かって子供達が殺到し大変な騒ぎに…。そこにどこからともなく大柄な少年がやって来て、腕力でそのみかんを奪い取り我がものにしてしまいました。日本人達はたった一個のみかんを子供達が奪い合い、それを体力の勝る少年が手にする様子に接し、なんとも言えぬ嫌な気持ちになったそうです。
 しかし、力任せにみかんを我がものにしたと思われた少年は予想外の行動を見せました。少年は子供達を小さい順に並ばせ、みかんを一房ずつ分けてあげたのです。少年は自分の口には一欠片のみかんも入れることは無く、父達日本人旅行者を見てニッコリ微笑みその場を立ち去ったと言います。
 これは私が子供の頃、父から聞かされた話です。当時、インドの仏教は衰退していましたが、仏教徒という集団の力は衰退しても、仏教そのものはインドに活きているというのが父の言わんとするところでした。
 自分よりも弱い者に目を向け、他の苦しみに心を配るのが仏教の慈悲です。園児の皆さんが他の子供との関わりの中で、この慈悲心を身につけ、社会に貢献出来る大人となることを念願してやみません。
(塩釜中央幼稚園機『おさなご』より)

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