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法螺貝 住職の法話

平成三十年二月発行

「お釈迦様涅槃会〜四枯四栄(しこしえい)」

 二月十五日は涅槃会、お釈迦様が亡くなられた日であると日本の仏教では信じられています。涅槃とはニルバーナの音写で煩悩の炎が吹き消されたような静かな状態を意味します。
 日本の涅槃図の多くには沙羅の木が八本描かれます。えっ!沙羅といえば双樹、双樹と言えば二本の木では?と思われる方もおられるでしょう。正しいご指摘です。確かにスリランカやミャンマー、タイなどで大切にされる南伝系の涅槃経には二本の沙羅の木の間でお釈迦様は亡くなられたという記述がありますが、我々の漢訳仏教圏で読まれる涅槃経には東西南北沙羅双樹に囲まれた場所でお釈迦様は亡くなったと伝えています。
 そして涅槃図を見ると八本の沙羅の木は四本が枯れ、残りの四本が緑の葉を茂らせているように描かれます。これは四枯四栄と呼ばれる描写で四本の枯れ木はお釈迦様の肉体を、緑を湛える沙羅樹はお釈迦様の教えを表しているとされます。
 この四枯四栄にはさらに深い解釈があります。それは四枯樹が世の中の事象はすべてが苦、空、無常、無我であることを表し、四本の緑樹がその苦、空、無常、無我を超越した常、楽、我、浄という涅槃の世界を表しているというものです。なかなか難解な説ですが、世の事象すべてに終わりがあると心から理解するところに本当の「常」が生じ、生きる上で避ける事と出来ない苦を本来のものであると受け止めるところに「楽」があり、おのれには我という実相など無いことを悟るところに大きな「我」の働きが生まれ、世の中も自分自身も不浄であると見極めることにより、本当の「浄(きよらかさ)」を発見出来るということが四栄ということです。四枯四栄を一般的な言葉で言うならば自らや家族、愛する者の苦難や死を心静かに受け入れることでしょうか…。

 
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