平成三十年三月発行
「知足」
あの東日本大震災から早7年。否、人の感じ方は置かれる状況や立場によって様々ですから「まだ7年」と感じる方もおられるに相違ありません。身近な方を喪った悲しみはそう簡単に癒えるものでは無く、家族の死から時間が止まったままという方も少なくないと思います。
しかしそんな中でも私達は与えられた人生を大切に生きるべきで、亡くなった方々も一番にそれを望んでおられるでしょう。昔の管長様に「知足は第一の宝」という書を扇に書いて頂いたことがありました。天然自然に支えられ、親から子への命のバトンタッチによって繋がれて来た命の尊さを自覚することが「知足」です。
被災直後、口に入るものに感謝し、僅かな暖に肩を寄せ合い、温かい食べ物に無上の喜びを感じた事を我々は忘れてはいないでしょうか?せめて今月位は震災犠牲者を想い、改めて生かされている命に感謝して生活をしたいものです。