平成三十年四月発行
「4月8日はお釈迦様の誕生日」
春の仏教行事と言えば4月8日の降誕会〜お釈迦様の誕生日があります。近年は花祭りという名で親しまれる降誕会は春という麗らかな季節に行われ、幾多の仏教行事の中でもその名の通り最も華やかな法会(ほうえ)であると言えます。
お釈迦様の本名はゴータマ・シッダールタ。釈迦族の王子として誕生したシッダールタ王子でしたが両親であるシュッドダーナ王とマーヤ妃は長い間子宝に恵まれず、やっと授かったのがお釈迦様だったと伝えられます。一宗教の開祖であるお釈迦様の誕生は神秘的な出来事として伝えられます。お産の為の里帰りの道すがらルンビニー園という場所に立ち寄ったマーヤ様は、花盛りの無憂華(むゆうげ)を一枝折ろうとした時にお釈迦様はマーヤ様の脇の下から誕生し、東西南北四維上下を見渡すと、それぞれの方角に七歩進まれ「天上天下唯我独尊(天にも地にもただ我独り尊し)」と宣言されたというのです。
「天上天下〜」はありとあらゆるものの生命の尊い事を説示されたとか、七歩進まれたというのは地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道輪廻から解放される事を意味するとか色々な解釈をされますが、私はマーヤ様の耳には「おぎゃあおぎゃあ」という赤子の泣き声が何とも「逞しく」「誇らしく」「歓喜に満ちた」そして意味深く聴こえたのだと私は思っています。
それを宗教的に表現したのが天上天下唯我独尊だと私は思っています。