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法螺貝 住職の法話

令和二年一月発行

「令和初の正月」

 令和初の正月です。正月と言っても一休禅師のおっしゃる通り、あの世への一里塚に過ぎず、何か特段に芽出たいものではありませんが、新年というものを迎え、何かしら気持ちがリセットされるのは良い気分が致します。
  正月は、元日より三日間、多くの寺院で修正会という天皇陛下のご健康と国家の安寧、五穀豊穣、万民の安楽を祈る法要を厳修されます。もともとは奈良で始まった行事のようですが、修行僧がいるような禅宗の大寺院では大般若経六百巻を転読し修正会の祈りを捧げます。
 東園寺の大回向会に参加して頂いたことのある方々にはお馴染みの光景でしょうが、転読というのは実際に経を読むわけでは無く、左右と前(寺院の落慶式などでは後ろ側にも転読)にパラパラと経典を開いたり閉じたりしながら経典の功徳を四方に巡らす所作です。転読する前には「大般若波羅蜜多経〇〇大唐三蔵法師玄奘奉詔訳」(○○には六百巻の内のナンバーが入ります。)と大声を発し、一巻転読し終わる毎に「降伏一切大魔最勝成就(ごうぶくいっさいだいまさいしょうじょうじゅ)」と絶叫します。初めて大般若祈祷をご覧になる方は大抵驚くような僧侶達の絶叫は大声により邪気を払うという意味があるそうです。
 昨年十一月より瑞巌寺に出向している私は、久しぶりに三ヶ日大般若会を行うという正式な法要を厳修し、ご利益というよりも、スッカリ喉がヤラレてしまいました。張り切り過ぎを反省するお正月です。
 大般若会を代表するように寺院というものはご先祖の供養を行うだけではなく、万人の幸福を願い建立されています。今年も檀信徒各位や法縁各位に喜んで頂けるような寺院運営を心がけて精進致します。何卒旧年と変わらぬご法愛を賜りますようお願い致します。

 
東園寺 所蔵書画

東園寺で所蔵の書画をご紹介しています。

東園寺 中興開山

東園寺の中興開山である曹源祖水和尚(そうげんそすいおしょう)についてのお話がご覧いただけます。

布袋の袋 東園寺住職の塩釜中央幼稚園園長のブログ。
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