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法螺貝 住職の法話

令和二年十二月発行

「成道会〜お釈迦様のお悟り」

12月8日は成道会(じょうどうえ)。お釈迦様のお悟りの日であると信じられています。
北インドとネパールにまたがる地域にあったとされる釈迦族の王子として誕生したお釈迦様はお名前をゴータマ・シッダルタ様と申され、多くの仏教国では他の仏様と区別する為にゴータマ・ブッダとも表記されます。日本で用いるお釈迦様という名称は釈迦族の聖者という意味の「釈迦牟尼仏」を省略したもので、世尊、釈迦如来、釈尊などとも称されます。
多くの仏典によるとお釈迦様は生後間も無く生母マーヤ様を亡くされ、何不自由無く王子としての生活を過ごされたものの、老い、病、死に対しての不安から王子という地位、さらには妻子を捨てて出家の身となり、6年の難行苦行の末に菩提樹下で坐禅をして迷わぬ境地を得たとされています。
広い意味で申し上げれば膨大な数の仏教経典は全てお釈迦様のお悟りに由来しているものではありますが、お釈迦様の生涯を描いた経典ではお釈迦様の悟りとは縁起を悟ったものであると記載しています。
縁起とはものごとには全て原因があり、独立して存在するものは無いということ。お釈迦様がお悟りの手立てとした十二縁起は人が生まれる原因から死に至るまでの原因と結果を洞察するという内容です。
何れも教理として発展していくととても難しいものになりますが、お釈迦様が一生を通じて自ら実践したのは、人が生きる時間には限りがあり、毎日の人や事物との出逢いは稀有なものだから、時間を無駄にしないように自らの可能性を全うしようということでありました。仏教の実践はなんだかんだ言ってこれに尽きます。
※塩釜中央幼稚園『おさなご』11月号に加筆したものです。

 
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