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法螺貝 住職の法話

令和三年四月発行

「思い込みから一歩進もう!」

 なかなかコロナ禍が止みません。恒例の「花祭りの夕べ」も昨年に引き続き中止となってしまいました。昨年の今頃はまさかこんなに長く新型コロナウイルスの猛威が続くとは思いもしていませんでしたが、今になって冷静に考えれば人類のパンデミックの歴史から見ても、このように世界的に広がってしまった感染症が数ヶ月で収束するわけがないのです。スペイン風邪が猛威を奮ったのは約三年間だとか。どうも我々は現代の医学や衛生状況を過信していたようです。日本でもワクチン接種が始まり、長いトンネルの向こうの僅かな光が見えて来たようには感じますが…。焦らず気をつけて生活しましょう!
 さて四月八日はお釈迦様のお誕生日、降誕会(こうたんえ)、灌仏会(かんぶつえ)などという法要が営まれます。一般的には「花祭り」という名称で親しまれます。 
 お釈迦様が誕生された際に東西南北上下を見渡し七歩進んだと伝えられます。これは今始まった生涯で六道輪廻を超越する…。つまり悟りを開くことを六道から一歩進んだ七歩で表していると解釈されることがあります。六道輪廻は地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天という六つの世界を生死流転することでこれには大変な苦痛が伴います。さらに六つの世界は全て我々の日常に体験する心の移り変わりを象徴していると理解される場合があります。環境やそれに伴って起こる感情の起伏を天界や地獄と解釈するのです。我々の生活を振り返ると、地獄に行ったり天界に行ったり、日々右往左往していますよね!どんな環境にあっても泰然自若の境地にあれば、それこそ悟りの世界でありますが、なかなか出来ることではありません。だから実に悟りなのですが!六道輪廻は言い換えれば私達が自ら執われる概念の象徴です。そこから一歩進むのが成長と言われるもの!
 コロナ禍の今を地獄と思える方々も多いかもしれません。しかし悩みや苦しみの中で右往左往することは、問題の根本に気付くチャンスでもあります。さあ一歩進む為の思案をしましょう!

 
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