令和三年八月発行
「ご先祖さまのお帰りだ!」
今年も皆様のご先祖さまをお迎えするお盆がやって来ます。お盆はお釈迦さまの高弟目連尊者が餓鬼道に落ちた母を救う為にお釈迦様の勧めにより実施した布施行に由来します。また禅宗で行われるお盆の読経はこちらもお釈迦様の高弟である阿難尊者が餓鬼に脅され、これに対処する為に行った法要が嚆矢とされており、お盆という行事の目的が餓鬼道に落ちた者の救済にあることが理解出来ます。餓鬼道とは食物が口に入らぬ世界、ここに落ちるのは物惜しみをして、人に施しをせぬ者であると言われます。
さて、斯様な由来のあるお盆ですが、多くの日本人が大切にするのは、ご先祖さまがこの世に帰って来るという事!施餓鬼だの何だのは知った事じゃない!というのが一般的なのだと思います。私自身は亡くなられた身近な人は常に自分自身と共にあり、日々、肩を交えて暮らしていると信じていますので、お盆にご先祖さまが帰って来ると自分自身の常の信心と整合性を欠く事態に陥るのですが…。お盆期間中に仏壇や墓の前で手を合わせると不思議に普段以上に亡き人が身近に感ぜられるものです。また日常ご無沙汰している親類や知人と会うとまさに亡き方々が同席しているかの感覚を得ますが、今年もコロナ禍が続き安心して人に会える状況ではありませんね。残念です。
今はお盆中でもカレンダー通りの勤務だとか、あるいはお盆しか長期の休みが取れないので遠方に旅行に出掛けるという方々も多く、お盆期間という感覚が薄れているようです。東園寺では7月15日から地蔵盆の8月24日までを広い意味でのお盆と理解し供養を致しております。是非この期間にはお墓参りをして頂きます様お願いします。菩提寺とご自分の墓地は比類なきパワースポットですよ!