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法螺貝 住職の法話

令和五年二月発行

「涅槃会(ねはんえ)」

2月15日は涅槃会。お釈迦様がお亡くなりになられた日です。齢(よわい)80となられたお釈迦様は王舎城(おうしゃじょう=パーリー語ではラージャガハ、現在はラージギル)の霊鷲山(りょうじゅせん)で説法し、北へ向かって旅を始めました。北方には祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)という王舎城に並ぶお釈迦様の布教拠点があります。
途中、お釈迦様は古い信者に法話をしたり、新たに出会った人を導いたりと、悟りを開いて45年の日々と同様に布教教化(きょうけ)の旅を続けます。しかし、老齢のお釈迦様の歩みはこれまでと異なり重く、腰痛などで弟子の力を借りねば歩を進める事が出来ぬ程でした。
死の3ヶ月前、お釈迦様は普段から身の回りの世話をしていたアーナンダに自らの命は長くなく、3ヶ月後には世を去る事を伝えます。アーナンダはお釈迦様の従兄弟。年齢は30歳ほど年下で、この時は修行が充分ではありませんでした。アーナンダはお釈迦様の言葉にうろたえ、お釈迦様に懇願したそうです。
「お釈迦様!あなたのような立派な方でしたら、自らの欲するままに長生き出来る筈です。もっともっと長生きして私達を救ってください。」と。
しかしお釈迦様がおっしゃいました。
「アーナンダよ。君はいつも献身的に私の世話をしてくれた。本当に有難う。しかし会えば必ず別れが生じる。諸行無常の理(ことわり)から、私とて逃れることは出来ないのだ。だから今のうちに分からないことを聴いておきなさい。そして私が亡き後は私の教えを頼りとしなさい。また自分自身を頼りと出来る様に自分自身を鍛えあげなさい。」
お釈迦様は予見通り、3ヶ月後に眠るように亡くなります。お釈迦様の最期の言葉は「弟子達よ!事象は過ぎ去るものである。怠らずに修行なさい。必ず清らかなものとなれるであろう。」でした。
ものごとは変化して行く。油断せずに頑張りなさい。努力をすれば必ず何かしら得るものがある。お釈迦様は2,500年前の方ですが、この言葉などは今日も変わらぬ真理であると感じます。また塩釜中央幼稚園の教育の根幹もここにあります。子供達にはそれぞれの個性の中で、向上を目指し努力出来る心を養って欲しいものです。        

令和5年塩釜中央幼稚園『おさなご』より
 
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