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法螺貝 住職の法話

令和六年二月発行

「涅槃会(ねはんえ)」

 2月15日は涅槃会、お釈迦様が亡くなられた日です。お釈迦様の入滅はインド暦2月の満月の夜だったと経典は伝えており、これにより日本でも2月15日が御命日になっているのですが、インド暦の2月は今日の我々のカレンダーで数えると5月頃であり、ついでにいうなら誕生も成道(お悟り)も同じインド暦2月の満月の日というのがインドを始め東南アジアなどの伝統です。そもそも本邦でも旧暦の2月15日と言えば現代のカレンダーでは、3月も後半となって、当時の都であり、仏教的にも中心の地であった京都などでは随分前に梅なども咲いて春本番という様相だったと思われます。涅槃会も今のような寂しい季節ではなく、穏やかな雰囲気だったのかも知れません。
 話は変わりますが、誕生が4月、悟りが12月、入滅が2月というのは、4月が年度替わりの日本にとっては非常に都合が良い!絶妙のスケジュールと言えます。幼稚園の年間行事としてもとても有り難い!
 そしてまた、面白いことに各国の仏教徒同士が「ブッダの誕生日はこっちが正しいんだぞ!」などと喧嘩することもありません。仏教は他の宗教よりも寛容であると言われますが、これはお釈迦様のお人柄に起因するものだと思います。
 但し、お釈迦様はご自分にはとても厳しい方でした、お釈迦様の最期を伝える涅槃経にはお釈迦様が病や、老齢による腰の痛みと体力の衰えの中、徒歩で旅を続け、人々に教えを説く姿が伝えられています。
 お釈迦様の最後の言葉は「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠らずに修行を完成なさい。」です。すべての物事は変化して止まることはありません。時間を大切にして、それぞれの目標を完成させなさいというのがお釈迦様の最後の教えです。今の世の中ですと、先ずは目標を見つけるのが難しいとも言えますが、逆戻りが出来ない人生、日々を大切に過ごしたいものです。

 
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