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法螺貝 住職の法話

令和六年七月発行

「悔いの無い日々を」

行いを作(な)しおわりて
こころに悔いなく
顔に喜笑(よろこび)あり
おもいたのしく
その果報(むくい)をうく
まこと かかる行いは
善く作(な)されたるなり


 こちらは法句経の一節。法句経はお釈迦様の金言が活かされた数少ない経典の一つであり、私達が日常生活を営むうえで何となく引っ掛かることや、何かしらクヨクヨしたとき、あるいは怒りで我を喪いそうになったときなどに、サラリと「気付き」を与えてくれるような教えが説かれています。全部で四二三の短編詩が綴ってあるのですが、この詩は六八番目の詩となっています。
 実はこの詩には思い出があります。平成六年七月に遷化した東園寺先住精道和尚、最晩年のメモ帳に走り書きされていた言葉がこれでした。精道和尚は四年半の長きにわたり癌と戦っていましたが、身体が思うように動かなくなったときに、精道和尚が自己の人生を振り返ってこのブッダの詩を書き記したならば、六十六年という人よりは短い生涯であったものの、やり遂げたという感慨はあったのだと思いますし、きっと幸せな一生だったのでしょう…。
 さて自分はどのような心境で死を迎えるのかな?皆さんはどうですか?悔いのない人生を送りましょう!

 
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