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法螺貝 住職の法話

平成二十三年十二月発行

『成道会(じょうどうえ)』


 十二月八日は成道会、お釈迦様が悟りを開いた日であると信じられています。実際にお釈迦様が十二月八日に悟りを開いたかと言えば、インド暦二月、現在の暦では四月か五月位に行われる南方仏教のウェサーク祭の日が正しいのでしょうが、禅宗系の専門道場では十二月一日から八日迄を一日と見做して、お釈迦様の悟りに因んだ臘八大接心が厳修されますので、史実かどうかは別として、とても特別な日であります。
 お釈迦様は二九歳で出家された後、様々なインドの伝統的な修行や苦行に取り組むのでありますが、最終的に苦行を捨て、呼吸を調え、自らの因縁を見つめるという非常に穏やかな方法で悟りを開かれます。
 私達の日常は楽しい事もあれば苦しい事も多々あります。しかし、その楽や苦の真中にあるのは、自分自身の意識に他なりません。お釈迦様のような立派な悟りまでは開けなくとも、私達は苦楽の真中にある自分自身をしっかりと見ることが出来たならば随分と心穏やかに過ごせると思うのであります。カッとなってしまったら、吐けるだけ息を吐き、呼吸をゆったりして見ましょう!少し心が落ち着くと思いますよ!

 
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