平成二十四年三月発行
『花祭り』
4月8日は花祭り。お釈迦様の誕生日であると日本の仏教では信じられています。
御承知の通り、お釈迦様、ゴータマ・ブッダはお釈迦族の王子としてこの世に生を享けられます。お釈迦様の母マーヤさんはお産の為に里帰りする道すがらルンビニ―園で無憂華を一枝折ろうとした時に脇の下からお釈迦様をお産みになられました。産まれたての赤子であるゴータマ王子はあらゆる方角に七歩進み、あらゆる方角をジッと見つめ、「天上天下唯我独尊」(天にも地にも我独り尊し)と仰られたと経典には伝えられます。
一宗教の開祖であるお釈迦様。神格化は当然であります。他の一般人とは異なって当たり前!普通であっては困るのです。それでも中国唐代の雲門禅師は「もしわしがそこにいたならば、その生意気な妖怪変化を棒で打ちのめし、犬の餌にしてやろう!」と言い放ち、この話に一石を投じているのは仏教の面目躍如と言えるでしょう。斯様な話に疑問を持ち、本来の仏は何だろう?と修行することこそが仏法の本来面目であります。
それはそうと、「天上天下唯我独尊」、私はマーヤさんの耳にはそう聞こえたのだと思いますね。出産経験のある方なら、我が子の元気な泣き声は、この上も無い感動や安堵でお聞きになられたでしょう。マーヤさんの喜びや感動、安堵、さらには誇らしさ、このすべてを網羅した言葉が天上天下唯我独尊だと、私は信じています。
この辺りはクソ真面目な坊さんにはわかりますまい!